和歌山県立医科大学第1外科

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先天性心疾患について

■概略

 和歌山県立医科大学附属病院では先天性心疾患の外科治療を新生児から成人先天性心疾患まで専門的に行っている施設です。先天性心疾患の外科治療は年間約70例行っており、1986年から総数で1200例を超える手術経験があります。症例は和歌山県内ばかりでなく大阪府の泉南地区までが対象地域です。1000gに満たない超低出生体重児や新生児複雑心奇形から成人先天性心疾患まで幅広く先天性心疾患の外科治療に取り組んでいます。新生児手術は年間約15例あり、新生児期早期に手術を必要とする完全大血管転位、左心低形成症候群、総肺静脈還流異常症、大動脈縮窄症、大動脈弓離断症などの手術経験は豊富です。

■特徴

1. 複雑心奇形
 代表的なファロー四徴では、現在1歳前後で根治手術を行っています。肺動脈弁の逆流に対しては右室流出路形成に用いる肺動脈弁の作成に工夫を加えることでその改善を図り、また、積極的に自己組織温存または応用した手術を行うことで治療部位の将来的な発育をも期待できる手術を心がけています。単心室に対しては段階的手術で心臓への負担の軽減を図り、生後6カ月から1歳までに両方向性グレン手術を行い、2歳前後でフォンタン型手術を行う方針としています。

2. 新生児心臓手術
 和歌山県下の先天性心疾患を持つ新生児のほとんどが当病院に搬送されます。新生児期に緊急手術を要する患児が搬送された場合は、新生児科(NICU)、心臓小児科、心臓外科、麻酔科、手術室、臨床工学センター、集中治療室(ICU)の経験豊富なスタッフへの連絡が直ちに行われ、緊急手術に即対応できるチーム医療体制を整えています。緊急を要する場合は新生児収容保育器を搭載したドクターヘリが出動し安全に患児収容と搬送を行っております。

3. 術後感染予防と目立たない手術創の工夫
 心臓の手術は胸に大きな手術創がつくのが一般的であり、Tシャツや女性であれば水着を着ると手術創が見えるなどの問題がありました。そこで、手術創を出来るだけ小さくとの考えから乳首やや上の高さからの小皮膚切開による手術創を心がけ、創部縫合も吸収糸を用いた埋没縫合と工夫した縫合により目立たない術創になるようにしております。術後創部感染の予防にも積極的に取り組み、この方式を取り入れた2008年5月から現在まで150例以上で創部感染はなく、この分野で指導的な役割を担っています。

4. 無輸血手術
 心臓手術では従来輸血が行われるのが常識でした。日本赤十字社の取り組みの成果で、輸血に伴う肝炎やエイズ(HIV)感染の発症は極めてわずかな頻度になりました。当院で以前に行っていた手術前自己血貯血は患児への侵襲も伴うため中止し、人工心肺回路と充填量の見直しを行うことで貧血を伴わない体重7kgまでの中等症手術に対しては無輸血手術を行えるようになりました。

5. 成人先天性心疾患の問題
 心停止を伴った心臓手術(開心術)が行われるようになり約50年以上が経過しました。新生児や乳児期に心臓手術が行われるようになり約30年が経っています。現在小児期に手術を受けた患者さんが成人期を迎え、再手術が必要となる方もいます。加えて、未治療先天性心疾患が成人期になって症状を発現し手術治療が必要になって来ている方もいます。成人であっても先天性心疾患が行われている施設でなければ十分な治療ができません。当院では心臓血管外科・循環器内科・小児科循環器担当医と連携し、成人先天性心疾患の診療・治療が行える体制も整っています。他院で治療を受けた方でも遠慮なくご相談ください。

■先天性心疾患外来

曜日
第1外科 小児科   連絡先
和歌山県立医科大学 第1外科、小児科
武内(2診)
手術日 鈴木(1診) 第1外科 岡 徳彦(講師)
    小児科 鈴木 啓之(准教授)
岡(1診)  鈴木(1診) 武内 崇(講師)
手術日 武内,末永(3診) 末永 智浩(助教)

 

 
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