外科学第一講座は心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科の3部門からなります。
心臓血管外科は循環器内科とハートチームを形成し、狭心症、心筋梗塞に対する冠動脈バイパス術、弁膜症に対する弁置換、弁形成、大動脈瘤、大動脈解離に対する人工血管置換術、ステントグラフト内挿術を行っています。近年、外科領域においては低侵襲手術が話題となっています。当科ではMICS(minimally invasive cardiac surgery)として右小開胸弁膜症手術や左小開胸冠動脈バイパス術を導入し、高齢者大動脈弁狭窄に対しては低侵襲なカテーテルによる大動脈弁置換術を行っています。また、放射線科と血管内治療チームを形成し、下肢動脈閉塞疾患に対する血管内治療も積極的に行っています。下肢静脈瘤に対しては血管内焼灼術をはじめ様々な治療を取り入れています。先天性心疾患については小児科と協力し、県内の唯一の小児心臓手術を行っております。心臓血管外科は24時間体制で緊急手術に対応するように努めています。
呼吸器外科は呼吸器内科と緊密に連携し、患者毎にシームレスな医療を提供できるような体制を構築しています。主に肺癌、転移性肺腫瘍、縦郭腫瘍に対する外科治療を行っています。和歌山県ではまだ胸腔鏡補助下小開胸手術が主に行われていますが、当科では大部分をより低侵襲な完全胸腔鏡下手術、ロボット支援手術を提供しています。また、気胸、膿胸などの外科治療では救急部と協力しながら行っています。
乳腺外科は乳がん、その他の乳腺疾患に対する治療を行っています。乳がんは外科治療に加えて術前術後の薬物治療が重要であり、積極的に取り組んでいます。乳がん摘出後の乳房再建に関しては形成外科と協力体制のもと満足度の高い治療を目指しています。また、遺伝性乳がんについても相談に乗っております。乳腺外科は女性医師が多く、患者様に安心して受診していただけると思います。