kv_group

DIARY

医師日記

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

2024年2月15日の日記|國本秀樹

 AI(Artificial intelligence)

 

 AIは、医療分野でも活躍しています。AIを使うことで、病気の早期発見や治療法の開発などが可能になります。AIは、医療現場での診断や治療において、人間の手を補完する役割を果たしています。AIを利用した外科手術については、自律型ロボットが手術を行うことができるようになってきています。例えば、豚の軟組織で腹腔鏡手術を行うことに成功したスマート組織自律型ロボット (STAR) があります。STARは、外科医の手を介さずに腸の両端を再びつなぐ作業を自動化できることを示しました 1](https://developer.nvidia.com/ja-jp/blog/surgical-robot-performs-first-solo-operation/).

また、富士フイルムは、AIを活用した手術ナビゲーションシステムを開発し、2024年度にも外科手術を手がける病院に提供する予定です](https://developer.nvidia.com/ja-jp/blog/surgical-robot-performs-first-solo-operation/)[2](https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC054JD0V01C23A0000000/)。

 AIを利用した外科手術は、医療の効率性、安全性、信頼性を向上させる可能性を秘めています。しかし、AIが人間の仕事を奪うという懸念もあります。AIが人間の手を補完することで、より効率的な社会を実現することができるかもしれません。

以上は、AIに「AIを利用した外科手術についてエッセイを」とお題を与えて書かせた文章です。

 いたずらはさておき、昨年から今年にかけてのトピックスといえば生成AI(Artificial intelligence)だったと思う。サムアルトマン氏が率いるOpen AI社が公開した、Chat GPTが大きな話題になった。詳しくは理解していませんが、エポックメイキングというか、良くも悪くも大きな衝撃でした。
学習し、文章で問い合わせた命令(prompt)に応じて文章で答えを返してきます。その内容は誤っていることも有るようですが、知性を持った専門家が答えてくれているかのように感じます。色んな会社がAIを開発していて、文章のみならず動画を作成したり、絵を見せればそれに対するコメントを与えたり、プログラミングを行ったりできるようです。今後AGI(Artificial General Intelligence)と呼ばれる、限定的な特定のタスクでなく人のような、汎用的な処理が可能なものが出てくるといわれています。

CTや内視鏡、病理画像の自動解析といった内容は以前から耳にしたことがありました。
外科手術というのは、目の前に見えている情報のほかに、患者さんの年齢や背景疾患、 術前のCTや血管造影検査所見、採血、術中のバイタル、不整脈、心機能、手術時間、心停止時間、術後に予想される予後などなど、非常に沢山の事を総合的に考えながら統合して行われる複雑な行為です。簡単には置き換わらないだろうと考えてきましたが、最近はF-16戦闘機を操縦できるAIも有るようで、技術的には時間の問題なのかもしれません。

当院でもロボット心臓手術が始まりました。これはロボットアームを医師が裏でコントロールし、bed sideでも医師やナースがそれをサポートしていますので、自動で手術をしてくれるわけではありません。
ナビゲーションなど、補完的な要素から始まり次第に範囲を広げて、数十年後には映画に出てくるようなロボットアームをもったAGIが、自分で判断して手術をしているかもしれません。

「昔は手術の時は外科医が手を洗って自ら手術をしていたもんだよ。今はAGIが困ったときにアドバイスするだけだけどね。」

なんて昔話をする時が来るのでしょうか。

 

心臓血管外科

2024.02.15 Thu 00:00