2024年10月1日の日記|平井慶充
ネガティブとポジティブ
先日San Diegoで開催されました世界肺癌学会に発表で出席してきました。肺がんの学会では最も大きい学会の一つで、最新のデータなどが発表されたりします。日本人も多く参加しており、重鎮の先生や臨床試験でメールでしかやりとりした事のない先生などともお話できたり、色々といい刺激をもらって帰ってきました。
大学病院の忙しい毎日に忙殺されていると、ついつい近くの事に目が行きがちになります。病院は本当に小さなコミュニティですので、多忙や医業以外の業務が多かったりすると、色々と溜まってくる事も多いかと思います。人の価値基準は自分優先か、組織の事も考えられるか人かのどちらかしかいないと思いますが、そうした時に自分の周りに自分向きの人が多いと、ネガティブな情報ばかり入ってきて、どんどん内向きになり、組織がおかしくなります。お互いを見るのではなく、外の遠い所を見ながら仕事をしたい(ふと横を見ると仲間も一緒の方向を見ているのが分かる、というのが理想ですが)、と本当に思います。ネガティブな情報はいらないです。
海外に行って発表する、発表を聞く、どんどん臨床試験をやって外とつながる、論文を書いて和歌山から発信するなど、どれも外向きに仕事をすると新しい刺激をもらえ、自分の次の目標ができ、ポジティブな活力が生まれてきます。最近は肺がんの術前に抗がん剤治療を行う事が増えた事、気胸膿胸の相談などで、呼吸器内科とも一緒に仕事をする飛躍的に増えました。内科と外科は得意なことが違っても同じ疾患を扱う医師同士、やはりいい刺激をもらえていると感じています。特に呼吸器外科は小さいチームですのでどうしても人が固定されてしまい、これも閉塞感を生む原因になり得ますが、内科の先生方の雰囲気にも助けられ、今は互いに何でも相談しあえる、いい空気感が醸成されてきたと感じています。
写真は世界肺癌学会でSan Diegoの一部を貸し切って行われた50周年記念パーティでの場面です。海外の学会で同じ和歌山からきた内科外科で一緒にパーティに参加したのは初めての事です。今度は日本肺癌学会総会で放射線科の先生も交える予定です。今、和歌山の肺癌診療は一体感が出来始めています。呼吸器外科の小さいチームだけでは出来ない事もたくさんあります。外を向いて、これからポジティブにどんどん盛り上げていこうと思っています。
呼吸器外科
2024.10.01 Tue 00:00