2025年9月1日の日記|平井慶充
先日、若い先生達と大型動物を用いた手術手技の実習に行ってきました。
特に研修医の先生たちはローテーションで回ってきても実臨床で十分に執刀できるわけではないので、こうした生体を用いた実習は大変貴重な経験になります。
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。」という山本五十六の言葉があります。手術を始めた頃は、こうしろああしろと口やかましく言われますが、実際に自分でやって初めて思うようにできない事に気付き、自分の事として考え行動する様になります。しかし、この「やらせてみて」という所に大きな壁があるので、こうした実習が大変大事になります。
また、研修医の先生だけではなく、若いスタッフにも学びがあります。昨年よりレベルの高い手技をやって見るわけですが、こちらが想像していたよりもうまく運針し、片手で針の向きを変え縫合している姿に驚きます。向こうのテーブルでは予想よりも早くきれいに血管が露出されています。
さっきの言葉には実は続きがあり、「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」という言葉で締めくくられます。この中で「感謝で見守って」という部分が私は好きです。出来る様になった事を感謝する、とは良くわからないかもしれませんが、教える立場の心のニュアンスを良く表していると思っています。
未来ある若者たちが少しでも実り多い外科人生になるよう、微力ながら努力していこうと思える週末でした。
(プライバシーの観点から研修医の先生はぼかしています)

呼吸器外科
2025.09.01 Mon 00:00