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DIARY

医師日記

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2026年9月1日の日記|平井慶充

「どうするか、どうありたいか」

子供の勉強を見ていて、思うことがあります。まだ、精神的に未熟な子供たちは、目の前の宿題さえ終わらせればいいか、少しくらいならゲームをしていいか、といったその場限りのことばかり聞いてきます。自分の力や立ち位置を客観的に見つめ、自分がどうありたいか、どうすればよいかをまだ意識できないため、目先の対応に終始してしまうのです。それは仕方のないことで、そこを導くのも大人の役割だと思うのですが、この「どうありたいか」という問いは、その人の生き方そのものを決める、とても大きな問いであるように感じています。

大人の世界も、二種類に大別できるように思います。どうすればこの場所に新しい価値をもたらすことができるかを真摯に考える人と、この場所が自分にどんな見返りを与えてくれるかを値踏みする人です。今もなお、目を輝かせて自分にできることを探し、小さな工夫を重ねている人たちがいます。ただ、そうした人たちの熱意が現場全体を照らす力が弱まると、あたりの空気は冷たく薄暗くなり、閉塞感が漂うようになります。
与えられた義務だけをこなし、心の大部分を別の場所に置くような働き方をする人たちにも、それぞれ抱えている事情があるのでしょう。決して怠けているわけではなく、やむを得ずそこに線を引かざるを得なかった人もいるはずです。そのこと自体は、誰も責められるものではありません。ただ、そうした個々の事情から生まれた「ほどほどでいい」という声が、当人の意図とは関係なく職場の中で重なり、耳に届くようになると、確実にあたりの空気を変質させていきます。
問題は、その声を発している当人たちに、周囲にどれほど影響を与えているかを気にしていないように見える点です。自分の事情で手一杯であればこそ、その振る舞いが他人の心にどんな影を落としているか、そこまで想像を巡らせる余地は残っていないのかもしれません。悪意がないからこそ、その無頓着なふるまいは、静かに、しかし確実に周りへ影響していきます。この空気は、泥をかぶってでも誰かのために尽くし続けようとしてきた実直な人たちの熱意を、根元から冷ましてしまいます。他者が手放した綻びを黙って繕い、気づけば孤軍奮闘していることに、ふと疲れを覚える人もいるでしょう。「この頑張りは何のためだったのか」と、手を止めそうになる瞬間さえあるかもしれません。

けれど、そうした空気の中でも、自分の心に従って「こうありたい」を手放さずにいる人たちが、確かにいます。そうした人たちの存在を見過ごさず、惜しみなく力を貸し、その頑張りが報われるように支えていきたいと思います。一人ひとりが自分の意志を持って働ける場所を、少しずつでも守り育てていくこと。それが集まって、全体として暖かく輝ける場所になれば、そこは活力ある幸せな場所になっているのかもしれません。

※先日乳腺・心臓外科の若手の先生が自主的に説明会を企画して提案してくれました。こうした声が挙がる様な組織でありたいものです。
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呼吸器外科

2026.09.01 Tue 00:00